【特集】高山植物・山野草の冬囲い特集

朝晩の冷え込みが厳しくなり、だんだんと冬の準備を始める季節となりました。
冬囲いをする際、もちろん「耐寒性」は気にして冬囲いをしていると思いますが、 耐寒性が強いと一言で言っても、実は色んなタイプがあるのをご存知ですか?

雪が降る地域に自生しているものの多くは、冬の間雪に覆われ、寒風にさらされることがないため、 案外寒風や凍結に弱かったり、逆に雪の少ない地域の植物では、雪がつもったままになっていると、葉が蒸れて傷んでしまったりと、 耐寒温度だけではわからない、植物それぞれのクセのようなものがあります。

今回の特集では、大まかに3つのタイプに分けて冬越しの仕方を紹介します。
植物のタイプに合わせた冬囲いで、元気な来春を迎えましょう!
※今回の特集は寒冷地の方向けの冬越し方法になります。
暖地にお住まいの方には参考にならないと思いますが、ご容赦くださいね。

タイプ

「ぬくぬく寒いのが苦手っ子」

暖かい所に自生している植物は耐寒性が弱いもの、耐寒性はあるものの注意が必要な植物などがあります。
凍らない程度の場所で管理すると良いものや、加温した場所で越冬するものなど耐寒温度によって冬場の置き場所を選んでやりましょう。 「寒くてかわいそうだから暖かい場所に」と言う親心はわかりますが、甘やかしは禁物!
冬越しの適温よりも暖かすぎると植物の体内時計が狂ってしまい、冬場にしっかり休眠せずに、 今度は春が来ても、成長が始まらなかったりというトラブルの恐れがあります。

このタイプの仲間…カシノキランなどの着生蘭、キエビネや暖地に自生するエビネ、糸葉カラマツ、
ハゼノキ、チャセンシダ、シクラメン・ヘデリフォリウムなど


タイプ

「かさかさ寒風が苦手っ子」

雪がたくさん降る所に自生している植物は、冬の間は雪のふとんをすっぽりと被って冬を越します。
雪の下は寒そうですが、実は温度は一定に保たれ(0℃程度)、湿度も一定に保たれているので、 冬越しに適したとても素敵な場所。 このタイプの植物は、冬場や春先の寒風や極度の低温にさらされると、傷んでしまったり、せっかく秋に出来た花芽がとんでしまったりします。
私達人間も苦手な、ピューピューと吹く乾いた風は特に苦手。
囲いなどをつくって風が直接当たらないような環境を作り、冬越ししてやりましょう。

このタイプの仲間…エゾツガザクラなどのツガザクラ類、白玉の木、ヤマアジサイ(花芽が傷みます)、雪割草など

タイプ

「ベタベタ蒸れが苦手っ子」


冬の寒さに強くても、雪のあまり降らない場所に自生しているものは、意外に蒸れに弱かったりします。
雪が長い間積もっている場所で冬越しさせると、葉が蒸れて落ちてしまったりします。 このタイプの植物は、雪の早く溶ける日向で冬越しさせたり、雪が直接当たらないように、棚や鉢で屋根を作ってやると良いでしょう。

このタイプの仲間…深山霧島、ロードデンドロン・インペディツムなどの仲間、オーリキュラなど


「みんなが嫌いな悪条件」とは?


耐寒性が強い植物であっても、「凍る⇔溶ける」の繰り返しは苦手です。
冬場一度凍ってから、そのまま春まで凍ったままの状態なら、元気に冬越しするのですが、 夜間凍る→昼間溶ける→夜また凍る…という繰り返しによって、根や球根が傷んでしまいます。
イチゲなど球根性のもの、コマクサ、大輪トキソウなどは特に痛みやすく注意が必要です。


「ぬくぬく寒いのが苦手っ子」の冬囲いのポイント


〜戸内で越冬させる〜

寒さが苦手で外では越冬できないものは、戸内で越冬させます。 凍らない程度の温度で越冬する植物は、暖房を焚いていない玄関や出窓などで越冬させましょう。
窓越しの光は明るく見えていても、実際は見た目よりも光量が少ないので、冬の間地上部があるものなどは、 しっかり光を当ててやる必要があります。レースのカーテンなどは使わずに光を当てた方が良いです。
冬の間10度以上(またはそれ以上)の温度が必要な植物については、耐寒温度に合わせて、暖房の温度がちょうど良い室内やフレーム内で 越冬させます。

「かさかさ寒風が苦手っ子」の冬囲いのポイント


〜板で囲い、寒風から守る方法〜

ベニヤ板や、トタンなどで囲いを作り、乾いた寒風から植物を守る方法です。 雪が少なく、冬場の寒風が強い地域におすすめです。 強い凍結の心配がある地域では、更に囲いの中に雪や土、落ち葉などを詰めてふたをして、凍結から守ることも出来ます。

〜土を掘って鉢を並べ、凍結から守る方法〜

土を掘って鉢を並べて、板やムシロなどでふたをし、凍結・寒風から守ることが出来ます。
ふたの上に雪が積もる地域では、ふたは板だけで心配ありません。
ふたの上に雪が積らない地域では、ふたが薄いと中が凍ってしまうので、凍結が厳しい地域では、穴を深くして、ふたの上に更に土を重ねて置くことで、 凍結から守ってやりましょう。

「べたべた蒸れが苦手っ子」の冬囲いのポイント


〜鉢をひっくりかえして、屋根を作る方法〜

雪が直接葉に当たらないようにして冬囲いをすると、春まで葉が傷まずに冬越し出来ます。
積雪が多く、春の雪解けの遅い地域におすすめです。 春になったら鉢をよけて、陽が当たるようにしてやりましょう。

〜たな下に置く方法〜

枝が折れてしまう木などは、棚の下に並べて置いて冬越しさせます。
蒸れが苦手なものは、雪が被らないように棚を囲います。


あったら便利な冬越しの工夫


〜発砲スチロール箱〜

発砲スチロールの箱は根や球根を凍結から守る冬越しの強い味方!
急激な温度変化を和らげますので、夜間凍結して、昼間は陽が当たり暖かくなってしまうベランダや、物置などで活用できます。 庭がなく土に埋める形の冬囲いが出来ない方におすすめです。
発砲スチロールはホームセンターなどで入手出来ます。
入手したら、発砲スチロールに水抜き穴を開けて使用するようにしましょう。 水抜き穴を開けておかないと、春先底に水がたまって根ぐされの原因となります。
※ベランダでは、昼間の直射日光が当たる場所では昼間暖かくなりますので、発砲スチロールにフタをして、さらに昼間の光が直接当たらない工夫をすると 良いでしょう。


〜落ち葉ぶとんの作り方〜

落ち葉は冬場の凍結や乾燥から植物を守ってくれますが、 風の強い場所では吹き飛ばされてしまったり、春に、雪解けしてべたべたになった落ち葉の片づけは結構大変…。
そこで、おすすめしたいのが、玉ねぎネットを使った落ち葉布団です。
作り方はいたって簡単!玉ねぎの大量販売をしている時に使われる細かい目のネットに、落ち葉を入れるだけで出来上がりです。 春になったら袋ごとよけるだけ。ぜひチャレンジしてみてくださいね。