
「山野草栽培 はじめの一歩!
コザクラ特集」

小さな鉢にちょこんと咲いたミニチュアみたいなサクラソウ
「コザクラ」の仲間達は成長しても5〜10cm程度の草丈に収まるかわいらしい姿が人気で、鉢植え山野草の代表格と言えます。
コザクラは「プリムラ」の仲間なのですが、
庭植え可能で、手間なしで盛り盛り育つ、
いわゆる「プリムラ(ポリアンサやジュリアンなど)」に比べ、
「暑さに弱い」「肥料に弱い」「まめに植え替えしないと枯れる」…など、高山植物的な性質のものが多く、
寒冷地以外では庭植えに向かないので、基本的に鉢植え栽培がおすすめです。
でも、鉢植えって面倒くさい…
山野草栽培ってちょっと苦手だな…というお声も良く聞きます。
苦手だなと思われる方に理由を聞いてみると、
株分けや植え替えの時に根っこを切ったり株を分けたりしないといけない点が多いようです。
「どこから分けたらいいの?」
「ここ、切っても大丈夫?」
と、おっかなびっくりになってしまい、
植え替えしないまま育てているケースが多いのですが、
毎年植え替えしなくても、鉢の中でじっと文句を言わず育つ種類もあれば、
綺麗好きで根っこの環境が悪くなるとすぐに機嫌を損ねて、消えてしまう種類もあります。
残念ながら、コザクラの仲間は後者に当たるので、毎年株分けを兼ねた植え替えをする必要があります。
でも、コツを覚えてしまえば、
根っこをいじるのも、植え替えも、案外気軽にできるようになるので大丈夫です!
今回の特集では、コザクラの系統ごとに植え替えのコツをまとめましたので、
鉢植え栽培をもっと身近に楽しんでもらえたら嬉しいです。
植え替えの基本
コザクラの植え替えは基本的に
「古い根を落とし、新しい土に植え替える」
です。
新しい根は白く太い一本根で、とても分かりやすいです。
ちょっと引っ張った位では株からとれません。
古い根は茶色がかって柔らかく、
ピンセットでとかすようにほぐしたり、指で引っ張ると簡単にポロリと落ちます。

古根を取り除いたらもう一か所チェック!株の中央部の裏側に、黒くなった古い株の名残がついています。
こちらも柔らかく取れやすいので、ピンセットや指でつまんで取り除いてやります。

株分けのコツ

株分けのポイントは
黒くなった古い株の名残を取り除いてやると、株同士が引き離しやすくなるので、株元をつまんでロゼットごとに分けます。
ロゼットの株元がつながっているものは無理に引き離さずにそのまま栽培します。
各系統ごとのの栽培ポイント
●イワザクラの仲間
イワザクラ、テシオコザクラ、シナノコザクラ、箱根コイワザクラなど
株分け時期:芽が動き出す前に株分けします。
・暖地では11〜12月
・寒冷地では3〜4月雪解け後すぐ(冬場に株分けすると凍結で根が浮いてしまうため)
管理ポイント:夏場は半日陰〜日陰で管理します

1.芽が動き出す前に作業します。

2.土を軽く落とします。

3.根をピンセットでとかし古い根を取り除きます。

4.古くなった黒い根茎を取り除くと小さな株に分かれます。
●ハクサンコザクラの仲間
ミチノクコザクラ、エゾコザクラ
株分け時期:芽だし頃か、花後少ししてから(新しい根が出て株分けできるようになる)
・暖地では2〜3月
・寒冷地では3〜4月雪解け後すぐか、5〜6月の花後
管理ポイント:ハクサン、エゾコザクラは肥料に弱いので、夏場の肥料分は切るようにします

1.ロゼットが増えたものは株分け出来ます。

2.土を軽く落とします。

3.根をピンセットでとかし古い根を取りのぞき、株の中央部の裏側の黒くなった古い株の名残を取り除きます。

4.株元をつまんでロゼットごとに分けます。古い葉も取り除きます。
●ユキワリコザクラの仲間
ネムロユキワリコザクラ、レブンコザクラ、ユウバリコザクラ、ソラチコザクラ、ヒナザクラ、オコッペコザクラ
株分け時期:芽だし頃か、花後少ししてから(新しい根が出て株分けできるようになる)
・暖地では2〜3月
・寒冷地では3〜4月雪解け後すぐか、5〜6月の花後
管理ポイント:ユウバリコザクラは肥料に弱いので夏場の肥料分は切る

1.ロゼットが増えたものは株分け出来ます。

2.土を軽く落とします。根をピンセットでとかし古い根を取りのぞきます。

3.株の中央部の裏側の黒くなった古い株の名残を取り除くと、簡単に株が分かれます。

4.古い葉を取り除いてすっかりきれいになりました。
植え替え1週間後の様子
ロゼットを一つずつポット植えにしても良いですし、
こんな風に一鉢にまとめて植えても可愛らしいですよ!